ninjinkun's diary

ninjinkunの日記

「ボトムアップの見かけはとても重要」

この記事はProduct Manager Advent Calendar 2日目の記事です。

先日Japan Product Manger Conferenceに参加して、ポケモンGOの開発元であるNianticでPMをされている河合さんのセッションの中で印象的な言葉があったので書き留めておく(セッションの詳細はプロダクトマネージャーに必要な資質って何ですか? 元グーグルのPM対談 | HRナビ by リクルートで読める)。

会場からの質問で、「開発者に仕事を任せる際に、上からやることをお願いするトップダウン型と、開発者が自発的にアイデアを出してくるボトムアップ型があると思うが、どちらがいいと思うか」(うろ覚えだけど、だいたいこんなニュアンスだったはず)という質問に対し、河合さんは一呼吸置いてからボトムアップの見かけはとても重要」と回答されていた。

これはPMの中では既に実現方法(おそらくUIや実装方法)が決まっていても、それをトップダウンで命令するのではなく、メンバーの口から「これをこういう形で自分がやりたい」と言葉にしてもらうことで、ボトムアップの形にするということのようだった。

その後に続く及川さんと河合さんの掛け合いの中で語られていたボトムアップ型のメリットとしては、

  • 開発者のモチベーションが上がる
  • 自分のアイデアが間違っていた場合にもメンバーが正してくれる

という点が挙げられていた。

自分も後から振り返って、あのときはうまくマネジメントをしてもらったな思う経験が何度かある。これらの経験には基本的にオーナーシップが自分にあると感じられて、自発的にアイデアを出すことで製品が前に進んでいる感覚が得られているという点が共通していたので、このボトムアップ型スタイルに近いものだったと思う。

まとめると、及川&河合流の開発チームとのつきあい方とは、ボトムアップで上がってくるアイデアを歓迎しつつ、トップダウンで進めたいこともできる限りボトムアップの形に変換することだと自分は解釈した。これがサーバントリーダーシップ呼ばれるものなのかはよくわかっていないのだが、メンバーの自発性と創造性を引き出すためのコミュニケーションに心を砕くスタイルなのだと思う。

いつもうまく行くわけではないし、絶対にメンバーの口からは出てこないような面倒な仕事の場合(例えば広告枠を増やすとか)は直にお願いする以外にないが、自分がマネジメントをする際にはできる限りこのスタイルを踏襲していきたいと思った。*1

余談だが、及川さんがセッション中で「色んなところでこの話をするので、だんだん会社のメンバーに仕掛けがばれてきてる気がする(笑)」と言っていたのが面白かった。種が明かされていても、メンバーが「俺の頭を使おうとしてくれているんだな」と思ってくれれば特に問題はなさそうである(逆に「俺にも脳みそついてるんだけどな」と思われたら失敗)。

*1:トップダウンで決められる方が良い人も居るとは思っていて、この手法は System of Record と System of Engagement // Speaker Deck で言うSoE向けのマネジメントと言うことになるのかもしれない