ninjinkun's diary

ninjinkunの日記

昔のベストセラーでタイトルだけ知っていたけど、Ep.7: トミヤマユキコ・清田隆之が薦める「ジェンダーにまつわる諸々をやさしく学べそうな本~キッカケ編~」 | 『アトロク・ブック・クラブ』〜アフター6ジャンクション presents | ポッドキャスト on Audible | Audible.co.jpを聴いて興味を持ったので読んでみたらとても面白かった。大阪で芸人をしている著者が東大上野研の門戸を叩き、社会学との出会いを通して新しい自分や言葉を発見していく様が生き生きと描写されている。しかし芸人として仕事をしながら東大のゼミに通い続ける著者のバイタリティは凄まじい。

この本を読んで、自分も学生の時に他学部受講で社会学の授業を取って衝撃を受けたことを思い出した。「自我論」というすごいタイトルの授業だったが、学歴や就職活動という学生に身近な題材を取り上げて、それがどういう構造で必要とされているか、自分達自身がどうその構造に加担しているかを毎回問われる授業だった。自分はそれまでメタな構造を疑うという方法論を知らなかったので、こういう頭の使い方があるのか!大学ってすごい!と無邪気に興奮していたことを覚えている。自分の学部は理系だったので、個人が感じる疑問や矛盾を出立として学問分野が成立するというのも新鮮だった。

残念ながらKindle版はないのだが、文庫で手に入るし文章に勢いがあってさっと読めるので、学生時代の気持ちをもう一度味わいたい人におすすめである。