海外のデザインカンファレンスに参加するため、ロサンゼルスに行くことになった。チケットを購入し、空港から飛行機に乗り込む。
いつの間にか寝ていて、気がつくと既に飛行機を降りて空港から移動する電車に乗っている。電車の中で食べそびれていた機内食を出してもらえる。
とりあえず目的地らしいところに着くと、知り合いが何人か居た。そこでSIMを買い忘れていることに気づく。しかし、まあフリーWifiで行けるでしょと言われたので、そのまま会場に向かう。
年末にninjinkun最近何やってんのと聞かれたので、書き出しておく。
京都最後の夜 pic.twitter.com/eabtxlyEJg
— にんじんくん (@ninjinkun) 2019年10月18日
これまで平日は東京の会社に勤めて、週末は京都の家に帰るという生活を計6年ほど続けていた。事情としては妻が仕事の関係で京都に住んでいたからなのだが、自分が京都の生活が好きだが東京の仕事も楽しいので、両方のいいとこ取りをしたいという気持ちもあってこういう生活をしていた。
しかし先月に妻が東京の会社に転職したので、京都の家を引き払い、東京に新しく家を借りてすべてmergeした。
京都には学生時代も含めると計10年くらい住んだ。思い出深い街である。大学で地元を出てから、初めて自分が住みたいと思った街が京都だった。
東京は就職活動で来たときから苦手意識があったが、場所を選べばそんなに人も多くないことがわかってきたら、だんだん楽しく過ごせるようになってきた。
まあ仕事もあるし、ぼちぼち東京でやっていこうと思う。しかしやっぱり週末は鴨川を走りたい気持ちになりますね。
前から気になっていた箱根のブックホテル、箱根本箱に行ってきた。
本が好きな人であれば、一度は書店や図書館に住みたいと思ったことがあると思う。自分はヴィレッジヴァンガードやガケ書房、恵文社といった個性的な書店に魅了されてきた経緯があり、「まだ読んでいない本に囲まれた生活」にずっと憧れがあった。
そんな少年の夢を金で解決するべく、箱根本箱へ向かう。
一ヶ月前からロマンスカーの先頭車を予約していたので乗り込む。箱根湯本駅からも箱根登山鉄道、ケーブルカーと乗り継ぐ必要があるので、なんだかんだで都内から3時間弱はかかった。
箱根本箱の見所は「本」と「食」の二つに集約されると思う。
ホテルに入るとロビーにある大きな本棚が目に入る。なんとなく食や旅、日本文学、海外文学、などに分かれているが、ゆるく繋がりがありそうな範囲で雑然と詰め込まれている。いわゆる「編集された棚」。写真集やマンガもある。
客室にも本が置いてあり、こちらも面白そうなラインナップ。ロビーやショップにある本全て部屋に持ち帰って読んでOK、そして全部購入可能である。7割の人が本を購入して帰るという。自分へのお土産として丁度良いのだろう。
ロビーに戻って早速本を読み始める。ロビーの二階はなかなか眺望が良い。エスプレッソマシンと、冷たいハーブティーのポットも置かれていて飲み放題。高級マンガ喫茶じゃんと思いながらだらだらする。飲食コーナーに置かれていた中島らもの「今夜すべてのバーで」を再読(これは飲食本なのか?)。
本棚の中に入ることができる。本棚には中にスペースが空いている部分があり、ここにクッションが置いてある。本棚の中の秘密基地である。なかなか居心地がいいし、通りかかる宿泊客が驚くのも楽しい。
夜中になるとロビーに誰も居なくなるので、自分が図書館の主のような気がしてくる(これは厨二病)。
夕食はこのホテルの目玉で、オープンキッチンを囲むカウンターで食べる。地産地消にこだわっているということで、神奈川や静岡の野菜や魚介が中心のイタリアンである。料理はとても美味しい。
我々は二泊したのだが、二泊目はちゃんと違うメニューになっていた。しかし食事は前日の方が気合いが入っていたと感じたし、ワインも前日と同じだったので、少し飽きてしまった。
その他の要素、「部屋」と「温泉」であるが、まず部屋は割と簡素である。
ただし全個室に露天風呂が付いているのだけは豪華。この露天風呂は常にお湯が入っているので、ちょっと風呂に入ろうと思ったらすぐに入れるのが良かった。本を読んで風呂に入ってと言うのを何度か繰り返したがこれは極楽。
風呂については大浴場が別にあり、こちらも良かった。生け垣で囲われているので見晴らしはないが、2つの源泉の内風呂と、木立の中にある露天で、どちらも気持ちが良い。露天にKindleを持ち込んでだらだらと1時間くらい過ごしてしまった。
滞在する2泊3日の間、昔読んだ本を読み返す時間が半分、新しく読む本の時間が半分という感じで過ごした。引越しを繰り返す中で手放してしまった本や、段ボールの中に眠っている本と久しぶりに会うと、なんだか無性にもう一度読み返したくて、時間がもったいないような気がしながらもつい読んでしまった。
さすがに三日間読み続けると目が疲れて、最終日は漫画と温泉でだらだらして終わり。
だいぶ気に入ったので、帰りの足で来年の予約を入れた。
同僚と荒木町の日本酒の店で楽しく飲んで、そろそろお店を出ようという帰り際。
「あなたたちみたいな若い人が日本酒を好きなんて嬉しいねえ!」とおっさんが話しかけてきた。
「日本酒好きですよ!」と返すと「好きな銘柄は何?」と聞かれたので、同僚が「最近は×××(忘れた)」と答えたところ、突然おっさんが「私に言わせれば女子供が飲むような酒だね」とマウントを取ってきたので最悪の展開になった。
「吟醸酒なんて昔はなかったんだからね。たかだか70年くらいの歴史でしょう」
我々は当然ながら吟醸酒大好きである。
おっさんの横の奥さんがいたたまれない様子で、時々帰ろうと言うのだが、おっさんはなかなか我々を離してくれなかった。
同僚が諏訪湖の酒蔵を巡ったという話をしたら、
「諏訪は2月にいかないとダメだよ〜。あの季節に一番酒の試飲があるんだから」
「昔は諏訪湖が凍る時期に御神渡りって儀式があったんだけど、今は温暖化で諏訪湖が凍らなくなっちゃって。俺は二回くらい行ったかな〜」
とまたどうしようもないマウントを繰り返してきた。
10分くらいつかまった後、タクシーが店の前に来たのでおっさんがシュッと乗り込んでお開きとなった。
同僚と二人で「あのようなクソオタクムーブだけはするまい」と言い合いながら帰路についた。
日本酒の マウント取られ 諏訪の御神渡り
— にんじんくん (@ninjinkun) September 9, 2019
Appleファンとして、プログラマーとして、とても面白く読んだ。
KHTMLをベースにWebKitを作り始める話、iPhoneプロジェクトに入って英語入力キーボード開発のDRI*1になる話など、今自分がMacやiPhoneで使っているソフトウェアの話が多く、具体的なイメージを持ちながら楽しむことができた。
Apple社内の雰囲気や体制が垣間見えるエピソードが多く、なるほどこういう環境でWebKitやiPhoneは開発されていたのかと産業遺産を見るような気持ちで読んでいた。
ジョブズ時代のApple社内の雰囲気を垣間見られる本としておすすめ。技術用語や実装の話もある程度入っているので、プログラマーなら楽しさ倍増かもしれない。
Creative Selection Apple 創造を生む力
mozaic bootcampに参加する前に予習としてReal World HTTPミニ版を読んでいったのだが、これが非常に良い本で役に立った。
HTTPの歴史を俯瞰しながらプロトコルの詳細を解説してくれる流れになっているので、自分のようにWebアプリケーションを作るために個別のトピックはなんとなく知っているけれど、策定の経緯や相互の繋がりを知らない人間には、知識を補完してくれる内容でありがたかった。
目次は以下の通りだが、既に仕事をしている人は4章までが対象かと思う。5章は新人のWebエンジニア向けの内容になっている。
実は後からミニ版ではないフル版も買って読んだのだが、まとまり具合、読みやすさはミニ版の方が良いと感じてしまった(もしこれを著者の方がご覧になることがあったらすみません)。
無料でこれだけの内容が提供されているのにも驚くが、研修などで使う想定で出版されたと前書きには書かれていた*1。自分も社内勉強会などで活用していきたい。
電子版のみなので、mobiでダウンロードしてKindleアプリで通勤時などに読むとちょうど良いかと思われる。
ミニ版で全体の流れを掴んで、気に入ったらフル版も買いましょう。
*1:これは特に書かれてはいないが、インターネットに関わる知識はインターネットに還元したいという意図もあるように自分は感じた。
以前rebuild.fmでNさんがおすすめしていたので気になっていたアゴタ・クリストフの『悪童日記』を読んだ。面白すぎて、続く『ふたりの証拠』『第三の嘘』も一気に読んでしまった。
フィクションだが、第二次大戦中と戦後のハンガリーという舞台が凄まじく、暴力と死が身近にある暮らしが淡々と語られる。国境や隣国という概念があるのも、島国で育った人間から見ると新鮮に感じた。
母国に居られなくなって国を出て行ったり、友人や身内と離ればなれになるというのはどれだけ辛いことなのだろう。戦争や治安的な理由で日本から出て行かざるをえない状況を考えるだけでも、かなりしんどいものがある。
朝起きて書き留めたのだけれど、後から読むと自分でも全くなんだかわからない。
自分は現役の警官で、交番に勤めている。 どうもコミュニケーション能力に難があり、頭も余り良くないが心は優しくて正義感はあるという設定。
かくまってくれた女性となぜか逃げる。 女性はトラウマがあり、それがどうもこの会場で結婚式を挙げる人と関係があるようだ
誓いの言葉が聞こえてきたとき、女性が取り乱し大声を上げてしまう。 自分は必死で宥めるが、途中で人が来る気配を感じて外に逃げる。 女性の友だちたちが「もしかしてと思ったら来てくれてたのね」みたいに女性に近寄るが、女性は叫びながら泣き続けている。
自分は外に出て逃げつつあるが、取り乱した女性が足を滑らせて川に落ちてしまう。 みんなも川を追いかけるが、流れが早くて追いつけない。
見かねた急流に飛び込んで追いかける。 マリオみたいに急流をぴょんぴょん飛んで、ようやく捕まえることができた。
派出所の隠れ家に帰るが、帰り道をつけられたようで、特に親しくない昔の同級生が隠れ家にたどり着いて、そこで万事休すとなる。記者会見を1時間後にやることにする。
リバーズエッジ。 オザケンが流れる。 自分は記者会見の準備をして終わる。
数年後
整形外科の医師を探す。 うまく見つかる。 女の子が自分の顔を見つけることができて終わった。