ninjinkun's diary

ninjinkunの日記

builderscon 2017に行ってきた

8/4-6に開催されたbuilderscon 2017に行ってきたので、印象に残ったセッションのメモを書いておく。

DeepLearningによるアイドル顔識別を支える技術

  • LINEのエンジニアすぎゃーんさんの発表
    • 元々は仕事と関係なく始めたけど、最近はAIプラットフォームClovaの部署に居るとのこと
  • やはりデータセットがキモ
    • まずこれだけのデータセットを作っているのがすごすぎる
    • 1年半分類し続けているとのこと。これだけ続けられるのがすごい
    • 最初からこれくらいやろうとは思っていなかった
    • 最初は5人のアイドルグループを識別するところから始めた
  • DCGANを使って非実在アイドルを生成するなど、データセットがあると分類以外にできることが広がる
  • 正面顔にこだわったりしているのが精度の高さの秘訣なのではないかと思った
    • OpenCVで顔の角度を出してデータを選定しているとのこと

複雑なJavaScriptアプリケーションに立ち向かうためのアーキテクチャ

  • このテーマについてここ数年情報発信をしているしんぺいさんの発表
  • 本当に重要なのはMVVMかどうかではなく、Presentationとビジネスロジックが分かれていること というのがよかった
  • 休憩時間にしんぺいさんとMVVMは一番難しいパターンなのではないかという話をした

真のコンポーネント粒度を求めて

  • CodeGridの中の人
  • CSSのクラスの命名どうするの?という話からコンポーネント
  • Object Oriented CSS、BEM、Atomic Designなど、最近の流れが一通り追えて勉強になった
  • 個人的にはEnduring CSSが衝撃的で、自分の考え方にしっくりきた
    • コンポーネントを共通化しない、不要になったらすぐに捨てられるようにする
    • 継承でパーツ作るの嫌いなので、個人的にはこれはしっくりくる。冗長でもええやん
  • フロントエンドエンジニア、デザイナーであればこの辺りの話は一通りフォローしておく必要がありそう

感想

昨年に続き今年も参加したが、大変楽しかった。インフラからフロントエンド、ネイティブアプリまでこれだけ広い領域のエンジニアが集まるイベントは他にないのではないか。ネイティブアプリエンジニアの自分がフロントエンドエンジニアとアプリの設計を比較して話をしたりできるのが、自分が感じるこのイベントの醍醐味である。

また来年もぜひ参加したい。

山種美術館

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東京に住んで良かったことの一つに、山種美術館との出会いがある。恵比寿にある日本画専門の美術館で、自分は新しい展示が始まる度に通っている。

この美術館で好きなところは、作品との距離がとても近いことだ。たいていの作品は額まで寄って眺められる。細かい書き込みと大胆に省略されている部分を比較したり、絵筆の動きを想像すると楽しい。また、金箔が張られている作品などは光の当たり方で見え方が全然変わるので、体を動かしながら眺めると面白い。

今やっている日本画の教科書 東京編は山種コレクションの総力戦という感じで素晴らしかったのでお勧めしたい。

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基本的に写真は撮れないが、こんな感じでときどき許可されているものがある。

結婚退職無職

昨年11月に結婚し、2月に勤めていたFablicを退職して京都で暮らしている。

結婚

3年前に上京して、京都に住んでいる彼女と遠距離恋愛をしていたのだが、昨年末に結婚した。現在は京都で一緒に暮らしている。毎晩一緒にお酒を飲めるのが楽しい。

退職

会社を辞めた理由としては、会社が昨年夏に買収され、自分の中でスタートアップ欲求が一段落付いたというのが一つ。もう一つは妻の仕事が3月まで忙しいことがわかっていたので、せっかく結婚したのだし、しばらく一緒に居る時間を作ってサポートするのも良いんじゃないかと思い、このタイミングになった。

Fablicにはスタートアップの黎明期から拡大期に移るタイミングで入社し、フリルのiOSネイティブ移行、AndroidのMaterial Design対応、RIDEの開発など、様々な楽しいプロジェクトに関わらせて頂いた*1。また、自分のわがままを聞いてもらって、プロダクトマネージャー見習いをやるチャンスもいただいた。素晴らしい同僚と製品に深く感謝する。

無職

今のところは就職していない。妻の仕事がとても忙しい時期なので、自分が家で一通りの家事をやっている。と言っても二人暮らしなのでやることは知れていて、基本的に自分の時間は多い。知人には「僕が言う主夫は、主にAmazonビデオを見る夫の略です」と自己紹介している。

今後

今後については今のところ白紙で、時間はあるのでじっくり考えようと思っている。

東京はやはり仕事環境として魅力的なので、関西の会社を探しつつ、東京と京都を往復する生活をまた再開することも視野に入れているという感じである(東京勤務の場合、平日は普通に出勤、週末は京都に帰り、慣れてくれば週一くらいでリモート勤務できると嬉しい)。3月からは、いくつかの会社でお試し勤務をしてみる予定も入っている。

東京時代にお世話になった方々、ありがとうございました。また東京にも月一くらいで行くので、飲みに行くぞ。Skype飲みなら気軽に出てくるぞ。

関西の皆様、飲みに行くぞ。

Product Managers Japanは自分が幹事なのもあって、ときどき東京に行って続ける予定である。DroidKaigiのスタッフは幽霊部員になってしまってすみません…。

写真は退職記念に買った複製画*2。家で撮ると台無しな感じもありますが…

Amazonウィッシュリストこちらです。

*1:仕事でやったことはLinkedInに書いていこうと思っているので、細かいことはそちらで

*2:オリジナルは現在恵比寿の山種美術館で展示中なはずなので、そちらを見に行きましょう

アンダーグラウンドを読んだ

1996年の地下鉄サリン事件の被害者へのインタビューをまとめた本。今まで何度か読んでいるのだが、Kindle版が出ていたので読み返してみた。

この本の特徴は、地下鉄を使っていた被害者たちの日常に焦点を当てているところだと思う。インタビューに答えているのは主に会社に勤めている人、防衛省の人、営団地下鉄に務めている人たちなどだ。どういう経緯で東京の職場に務めることになったのか、毎日どの様に通勤しているのかといったそれぞれのストーリーが語られた後で、それがサリン事件によってどのように奪い去られたかが明らかになる。人々の日常を破壊する暴力を、六十数人のインタビュイー個人の視点から追想する。それは必然的に、一言で表現できない重層的な物語になる。

自分は当時名古屋に住む小学生だったので、この事件のことは曖昧にしか覚えていない。しかしこの本を読んでから東京で日比谷線に乗る度に、この事件のことを考えるようになった。被害者が救急搬送された神谷町や霞ヶ関、築地など、事件があった場所を所用で通ることは何度もある。もちろんそれらの駅には事件の痕跡を示すものは見当たらないが、この本の内容を覚えている自分には、車内でサリンが散布されてから駅が閉鎖されるまでの光景を想像することができる。怖いとかトラウマとは違う。それは(事件後に警備が相当強化されていることは重々承知しつつ)今ここで起こってもおかしくないことなのだと、ただ思うのだ。

自分の生活と地続きの暴力について考える機会になる、優れた本だと思う。後書きの部分に、一連のインタビューを通過した後の村上春樹の物語に対する姿勢というか、態度の表明が濃いめに書かれているのも興味深い。

ハイアールの冷蔵庫を買った

冷蔵庫を大容量のものに買い換えたいと思って色々見て回ったのだが、結局ハイアールの製品に決めた。

電気店では日本メーカーの冷蔵庫が強く推されているのもあり、自分も当初は日本のメーカーの製品を買おうと思っていた。カレーなどをたくさん作って保存しておく習慣があるので、シャープ製のものが冷凍庫が大きくて良いかなと思って、一度は購入までした。しかし家に搬入する際に入り口の部分で引っかかって、設置することができず返品になったのである。

その後、改めて入り口に入る寸法の冷蔵庫を探すうちに、冷凍庫が大きくて寸法がちょうどのハイアール製の冷蔵庫が候補に浮かんできた。自動製氷などの便利な仕組みは全くないが、値段は他の国産メーカーの半額である。省エネ性能に至っては国産メーカーより優れているらしい(スペックを信じるならば)。

購入して一ヶ月ほど経つが、元々高度な機能が皆無な冷蔵庫を使っていたせいか、不満は特にない。冷凍庫が大きいのは大変便利で、作り置きが加速している。高度な機能が不要な人は、こういうのでいいのかもしれない。

余談だが、急速冷凍機能は金属製のバットでシミュレートできた。

コンテナ物語を読んだ

少し前に知人たちの間で話題だったので読んでみた。物流で使われるコンテナをキーに経済のグローバル化を紐解く本という感じである。世界の港から湾口労働者が閉め出されていく様や、日本やアジアの国がコンテナによってサプライチェーンを構築したり、その一部になっていく様子が描かれている。

歴史やイノベーションの本として読むのが本筋なのだろうが、自分は主に現代の物流を解説する本として読んだ。自分が普段触れる物流というのは宅配便や小売店のトラックくらいだけれど、その向こう側に船、鉄道、航空機による輸送がある。そしてそれらの要素が自分の生活にどう結びついているかが、少しイメージできるようになった気がする。この本を読んでから、港に行くたびにコンテナドックを探してしまうし、貨物電車を見る度にコンテナの種類を数えたりしてしまうようになった。

知らない領域の仕組みや、その内側での変化を解説した話は大変面白いので、こういう本をもっと読みたい。

コンテナ物語

コンテナ物語

現在の自分とプロダクトマネジメント

最近人に会うと、プロダクトマネジメントに詳しいと思われることが多い。確かにいくつか 関連するエントリも書いているし、Product Managers Japanのまとめ役*1 もやっているのでそう思われるのかもしれない。

しかし自分はプロダクトマネジメントについて座学で勉強はしたが、実際のプロダクトマネージャーとしての経験は合計9ヶ月くらいしか無いのだ。しかも誇れるほど数字を上げたという経験はほぼ無い。

プロダクトマネージャーは実際に関わった製品が成功することでしか評価されない職業だと思うので、残念ながら現状ではプロダクトマネージャーとしてのキャリアはだいぶ薄いと言わざるを得ない。もちろん今後はもっと経験を積んで実績を出していきたい思っているが、今の自分はプロダクトマネジメントの知識を持ったエンジニアと自己紹介する方が妥当だろう。

人と会った際に期待値がずれることを減らしておきたくて、なんとなく書いておいた。

*1:こちらはantipopさんに指名されたという経緯でやっている(もちろん楽しんでいるが)

「ボトムアップの見かけはとても重要」

この記事はProduct Manager Advent Calendar 2日目の記事です。

先日Japan Product Manger Conferenceに参加して、ポケモンGOの開発元であるNianticでPMをされている河合さんのセッションの中で印象的な言葉があったので書き留めておく(セッションの詳細はプロダクトマネージャーに必要な資質って何ですか? 元グーグルのPM対談 | HRナビ by リクルートで読める)。

会場からの質問で、「開発者に仕事を任せる際に、上からやることをお願いするトップダウン型と、開発者が自発的にアイデアを出してくるボトムアップ型があると思うが、どちらがいいと思うか」(うろ覚えだけど、だいたいこんなニュアンスだったはず)という質問に対し、河合さんは一呼吸置いてからボトムアップの見かけはとても重要」と回答されていた。

これはPMの中では既に実現方法(おそらくUIや実装方法)が決まっていても、それをトップダウンで命令するのではなく、メンバーの口から「これをこういう形で自分がやりたい」と言葉にしてもらうことで、ボトムアップの形にするということのようだった。

その後に続く及川さんと河合さんの掛け合いの中で語られていたボトムアップ型のメリットとしては、

  • 開発者のモチベーションが上がる
  • 自分のアイデアが間違っていた場合にもメンバーが正してくれる

という点が挙げられていた。

自分も後から振り返って、あのときはうまくマネジメントをしてもらったな思う経験が何度かある。これらの経験には基本的にオーナーシップが自分にあると感じられて、自発的にアイデアを出すことで製品が前に進んでいる感覚が得られているという点が共通していたので、このボトムアップ型スタイルに近いものだったと思う。

まとめると、及川&河合流の開発チームとのつきあい方とは、ボトムアップで上がってくるアイデアを歓迎しつつ、トップダウンで進めたいこともできる限りボトムアップの形に変換することだと自分は解釈した。これがサーバントリーダーシップ呼ばれるものなのかはよくわかっていないのだが、メンバーの自発性と創造性を引き出すためのコミュニケーションに心を砕くスタイルなのだと思う。

いつもうまく行くわけではないし、絶対にメンバーの口からは出てこないような面倒な仕事の場合(例えば広告枠を増やすとか)は直にお願いする以外にないが、自分がマネジメントをする際にはできる限りこのスタイルを踏襲していきたいと思った。*1

余談だが、及川さんがセッション中で「色んなところでこの話をするので、だんだん会社のメンバーに仕掛けがばれてきてる気がする(笑)」と言っていたのが面白かった。種が明かされていても、メンバーが「俺の頭を使おうとしてくれているんだな」と思ってくれれば特に問題はなさそうである(逆に「俺にも脳みそついてるんだけどな」と思われたら失敗)。

*1:トップダウンで決められる方が良い人も居るとは思っていて、この手法は System of Record と System of Engagement // Speaker Deck で言うSoE向けのマネジメントと言うことになるのかもしれない

マーケティング戦争を読んだ

Webマーケターの知人に「マーケティング初心者に一番おすすめの本教えてよ」と尋ねてみて、この本を推薦してもらったので読んでみた。戦争で使われる戦略をマーケティングに当てはめて、実際のマーケティング戦略を解説していくという内容の本である。戦争の引用がどれだけ妥当なのかはわからないが、とりあえず歴史好きや小説好きであれば面白く読めると思う。自分は一気に読んでしまった。

印象に残ったことをかいつまんで箇条書きにすると

  • 基本的に戦いは人数が多い方が勝つ
    • なのでビジネスにおいては営業の人数や広告予算が多い方が勝つ事が多い
  • 防衛するのは攻撃するより容易だ
    • なのでトップの企業を蹴落とすのは容易ではない
  • 製品のイノベーション、品質の高さ、人材の優秀さだけで逆転できることはほとんどない
  • 規模が小さければニッチに特化したゲリラ戦を仕掛けろ

という感じだった。そしてビール戦争、コーラ戦争、コンピューター戦争と実際のケースに当てはめる章が続く。

競合との関係で自社をどこに位置づけるかを考え、そこから戦略を演繹しろというのはこの本に限らず色々なところで言われていることだとは思う。自分の会社も激しい競争の中に居るので、読みながら改めて考えさせられた。

一方で、明日から自分の仕事に使えるかというと、特にそういう感じはしない。話のレイヤーが経営レベルの製品戦略なので、毎日の施策をどうするかという戦術の話は省かれているからである。マーケティング関係の人の頭の中を覗くという意味では参考になった。

また、この本ではクライスラーを立て直したリー・アイアコッカマーケティングの天才と言って持ち上げているが、確か昔読んだビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則 ではこの人はこき下ろされていたはずで、見る人や時代によって人物や戦略への評価も全然変わっていくものだなと改めて感じた。この手の本は小説のように読むくらいがいいのかもしれない。

少し昔の人なので現役時代を知らなかったのだけど、アイアコッカのWikipediaを見ると経歴も評価も凄まじい感じで面白い。

マーケティング戦争 全米No.1マーケターが教える、勝つための4つの戦術

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UberEATS

会社がUberEATSの対象領域にあったので、数日使ってみた。単純に500円で美味しいものが食べられるサービスとして使っている。

お店の厨房に余裕がある時にしかリストされないようで、時間によって出てくるお店がどんどん変わる。食べたいもののイメージがあっても、その時間にお店が出て来ないことが多く、多少のストレスがある。12時から13時くらいまではお店が少ない傾向にあるので、その前後で注文するというハックが必要だった。

注文できるお店があっても、バグでよくこの画面が出る。画面自体もはみだして崩れている。

11/12追記

500円キャンペーンが終わって案の定使わなくなってしまった。しかし会社のメンバーはお昼に外食をしなくなり、お弁当を食べる習慣だけが残った。