ninjinkun's diary

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はてなTGIFの歴史 - Hatena Staff Advent Calendar 2011

こんにちは、はてなアプリケーションエンジニア兼TGIF幹事のid:ninjinkunです。このエントリはHatena Staff Advent Calendar 2011の24日目の記事です。TGIFとはThanks God It's Fridayの略で*1金曜の夜に一週間の仕事を労って飲み会をやるというものです。元々はGoogleシリコンバレーの企業がやっていたものを取り入れたと聞いています。
はてなのTGIFは一応オフィシャルな会社行事です。なのでご飯、お酒は会社から提供されます。オフィスランチを作ってくださっているさっこさんの手による軽食が提供され、ビールやチューハイなどが並びます。東京オフィスと京都オフィスをポリコムで繋ぎ、同時に開催しています。
会社で飲み会?しかもタダ?いいじゃない、いいでしょう。しかしこのTGIFというイベント、実はこの数年でその形態をじわじわと変えてきました。今日はその変遷と幹事の苦労について語ろうと思います。

過去のTGIF

TGIFは僕の入社よりさらにその前、はてなの開発部が東京にあった時代から開催されていました。記録を漁ってみたところ、2007年3月9日が第一回目であったようです。その当時のことはあまり詳しく知らないのですが、各チームが振り返りをやったり、役員やサービスの責任者が発表をするなど、会社の情報共有の側面が強かったようです。

2008年

僕が始めてはてなのTGIFを体験したのは、2008年のはてなインターンでした。あまりネット企業のカルチャーを知らない学生だった自分は、そもそもまず会社でお酒を飲んでいるということに驚きました。そしてTGIFが会社の情報がオープンに入って来る場として機能していることも印象に残りました。全員参加自由の雰囲気だったので、インターンが社員の方々と交流するのにも丁度よい場でした。
当時は新ほたてシステムが稼働し始めたところで、毎回ほたて賞の投票と発表が行われていました。

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ほたて賞について

ほたて賞、Hotな Taskを Tataeる賞の略と言われていますが、詳細は定かではありません。スタッフのタスクを称えるための仕組みです。毎週のタスクをシステムに入力し、投票で1位〜3位を決定します。入賞者にはAmazonギフト券が贈られます。

ここに各々の細かいタスクを集めることで、個々人やチームの細かい仕事も全社で共有することができます。現在のシステムはid:suzakのアルバイト研修の課題として作られたのですが、非常にコードが綺麗に書かれていて見通しも良いので、新人やインターンに見本プロジェクトとして紹介しています。このシステムは開発合宿の成果発表会での投票にも使われています。

2009年

僕が入社した2009年春は丁度リーマン・ショック後で、セコイア・キャピタルの「サバイバルに努めろ」が発せられた後でした。
入社してみるとビールは発泡酒に変わり、ほたて賞のAmazonギフト券は廃止されていましたが、TGIF自体は継続されていました。
しかしここで号令がかかります。「TGIFを改革せよ」ずっと継続してきたTGIFですが、もっと良いものにできないかという話でした。毎回の司会のid:nagayamaさんの負担も相当なものだったようで、そろそろ運営の中核を変えても良いのではないかという話もありました。

TGIF幹事

そこで6月にTGIF幹事という役職が開始されます。id:nagayamaさんは名誉幹事長という職に退き、3人の幹事が任期付でTGIFを運営するというものです。入社してまだ特に何も成果もなく(というかひどいミスを繰り返していた)、しかし意識の高かった自分は、とりあえずみんなに名前を覚えてもらえるチャンスかもしれないと打算的に考え、立候補しました。こうして第一期TGIF幹事団が結成されました。
時々お昼休みにid:jkondoさんも交えてミーティングをし、IRCの#tgifチャンネルで細かい話をしながら*2、色々詰めていった覚えがあります。だいたい以下のことが決まりました。

  • TGIFを隔週にする
    • 幹事と参加者の負担軽減、予算の削減
    • ほたて賞Amazonギフト券の復活
  • 毎回なにか発表を入れる
    • 技術的なことや成果等
  • ほたてには達成率や目標を書く

発表者を集めるのも結構苦労していた記憶があります。新入社員が自分たちのやっていることを紹介する時間にしたこともありました。
外回りや用事などでTGIFに参加できなかった人のためにTGIFの空気を伝える、『TGIF通信』も開始されました(現在はお休み中)
また、今は恒例行事になっているはてなハロウィンもこの年から開始しました。年末には一年分のタスクをもう一度称える忘年ほたて賞も行われました。
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司会

肝心の司会は、自分がアドリブでしゃべるのが苦手だったため、毎回id:chris4403さんにお願いしていました。しかしどこかのタイミングで自分が司会をする羽目になったことがあり、とりあえず本をAmazonで買って読みました。


すぐに役立つ司会の進め方と実例

挨拶の順番やお店とのやりとりなどが中心で、自分の用途にはあまり役にたたなかったので、先日処分しました。

2010年

幹事は3ヶ月ごとに交代するのですが、自分は確か3期務めたのでこの年の初めまで幹事だったと記憶しています。多少変更も行いました。

  • 発表は毎回の確保が難しいのと時間が長引くので廃止
  • 会場が会議室に変更に

また、一部社員しかほたて賞の投票をする人がいないなどの話もあり、1~3位を予想して、予想が的中すると商品がもらえるような制度もできました。このあたりを実現するためにほたて賞システムに多少手を入れて行きました。こうしたシステム改修がたまにあるため、TGIF幹事にはエンジニアが最低一人は要ることが望ましいですね。
id:kyabanaさんの運営があまりにも安定していたため、その後長期にわたりid:kyabanaさん主導・司会によるTGIF運営が継続されることになります。
この時期にほたて賞の社員投票によるAmazonギフト券分配がなくなり、役員による賞の決定が行われるようになりました。

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2011年

id:kyabanaさんによる安定したTGIF運営が継続していました。しかしあまりにも長い間、2年近く幹事をされてきたid:kyabanaさんの負担も相当なものであったと思います。TGIF幹事が再び交代する時期が来ました。
そしてこの秋、id:chiros4403幹事長の元、僕も幹事として復帰することになりました。
新しいTGIFも隔週で行われているのですが、

  • 1週はサービス開発各チーム責任者による発表とディスカッション
    • 仕事の一分として夕方から定時内に行う
  • もう1週は今まで通りほたて賞
    • ほたて賞はスタッフによる投票制に戻す

という内容になり、フォーマルな要素と慰労の要素が混じった形になりました。

まとめ

こうして振り返ってみると、なんで飲み会のことにこんなに時間を費やしているんだろうという気分になってきます。しかし、全社の一体感を保つという意味で、はてなのカルチャーの中でもTGIFはかなり重要であると思っています。
現在のTGIFの意義は以下の2つだと考えています。

  • 全社の方針を共有し、それに対してコミットする
  • 社員同士がボトムアップにお互いの仕事を知って評価する

制度を作ったり変えたりするのは大変ですが、TGIFは社員がボトムアップにつくりあげていくところに意味があるのではないかと思っています。これから先社員がもっと増えると今の形態も変わって行くのでしょうが、できるだけみんなの納得行く形で残していきたいですね。来年も楽しく金曜日を迎えましょう!

明日の大トリは僕の上司でもあるid:nmyさんです。